③火災現場で通信が成立しない理由を、素人なりに全部考えてみた

救助ロボット通信途絶

位置づけ(この記事について)

この記事は、火災現場で長時間動く救援ロボットを考える中で、最も早く、そして確実に行き詰まった「通信」の問題を整理した技術雑記です。

モーターや材料よりも前に、通信が成立しなければロボットは操作不能になります。 この時点で多くのアイデアは現実から脱落します。


なぜ火災現場では通信が切れやすいのか

火災現場は、無線通信にとって最悪の環境です。

  • 炎による高温の空気
  • 大量の煙と煤
  • 鉄骨・配線・家電などの金属
  • 壁や床の崩落

これらは電波を

  • 反射し
  • 吸収し
  • 散乱させ
  • ノイズを発生させます

結果として、通信品質は急激に悪化します。


電波なら何でもいいのでは?という疑問

最初に浮かぶのはこの疑問です。

「AMや長波など、波長の長い電波なら届くのでは?」

確かに、低周波ほど障害物を回り込みやすい傾向があります。 しかし問題は別のところにあります。


AM通信の現実的な限界

AM(振幅変調)は、

  • 回路が単純
  • 受信しやすい

という利点があります。

しかし、

  • ノイズに非常に弱い
  • 通信速度が極端に遅い
  • デジタル制御には不向き

という致命的な欠点があります。

周波数をずらして複数バンドを並列化する案も考えられますが、

  • 同期が難しい
  • 装置が複雑化する
  • 結局ノイズに支配される

という現実に行き着きます。


さらに長い波長(超低周波)はどうか

理論上は、

  • 超低周波
  • 極低周波

も存在します。

しかし、

  • アンテナが巨大になる
  • 送信効率が極端に悪い
  • 帯域幅がほぼない

という理由で、 移動体ロボットには非現実的です。


音波・超音波通信という別ルート

電波がダメなら、音はどうか。

音波・超音波は、

  • 電磁ノイズの影響を受けない
  • 壁や瓦礫を伝わる

という利点があります。

しかし火災現場では、

  • 炎の轟音
  • 崩落音
  • 空気密度の乱れ

により、

  • 通信距離が短い
  • 誤認識が多い
  • 速度が遅い

という問題が発生します。


有線という最終手段

通信が切れるなら、線でつなぐ。

これは最も確実ですが、

  • ケーブルが焼損する
  • 引っかかる
  • 行動範囲が制限される

という別の地獄が待っています。


通信が切れた瞬間、何が起きるか

通信断は単なる不便ではありません。

  • 操作不能
  • 状況把握不能
  • 帰還不能

ロボットは、その場で任務を終えます。

通信は生命線です。


見えてきた現実的な方向性

ここまで考えると、方向性はかなり絞られます。

  • 常時通信を前提にしない
  • 短時間・断続的通信
  • 自律行動を前提にする

しかしこれは、 通信問題を解決したのではなく、 通信に依存しない設計に逃げただけです。


まとめ(ここで多くの案が終わる)

火災現場での通信は、

  • 技術的に難しい
  • 環境的に最悪
  • 安全上の制約も大きい

という三重苦です。

多くの救援ロボット案は、 この通信問題で現実から脱落します。

それでも考える価値があるのか。

それは、 通信が前提でなくても成立する役割を見つけられるか にかかっています。

この記事は、その現実を直視するための整理メモです。

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